クリープ(レオロジー)

クリープ試験は、応力制御のレオメーター試験のひとつで、文字通り材料を「クリープ」させる試験です。一定の小さい応力を加えて、試料のわずかな動きや変化(クリープコンプライアンス、J)を長時間にわたって測定します。 

 

この測定の利点は、印加される応力が小さくても、結果として生じるごく小さな変形(J)が時間の経過とともに大きくなることです。 

レオロジーの観点からは、時間の経過にともなって応力が緩和し、次のような「粘弾性」特性領域が観察されるようになるということでもあります。

  • G1: 初期に発現する、急速な「弾性」応答領域。弾性構造が伸長する 
  • G21: 「粘弾性」応答領域。急速な弾性応答領域の部分とより速度の遅い粘性応答領域部分が混在する
  • η2: 「粘性」応答領域。弾性構造(JE)はすべて伸長し、粘性の流体のみが残る 

初期の回転式レオメーターでは、「高分解能」粘性測定の一形態としてクリープ試験をおこない、流動曲線の各データポイントが「定常状態」にある、すなわち物質が粘性の流体であることを確認していました。 

NETZSCH社製Kinexus のような次世代型のレオメーターでは、流動曲線内の各データポイントの「ライブデータ」を保持できるため、特定のクリープ試験をおこなわずに定常状態を確認することができます。 

そのため現在では、クリープ試験は材料にかかる小さな応力(重力など)の長期的な影響の調査や、アスファルト試料の適用プロセスを模倣した多重応力クリープ回復(MSCR)試験など、より専門的な場面で使用されています。 

クリープ回復は、クリープ結果を検証するための一般的な拡張部分です。レオメーターの荷重印加を除去して、回復を測定します。このときクリープコンプライアンス(JE)が回復コンプライアンス(JR)と同じになります。ここでも 「弾性」応答(G1)が最初に発現し、次いで「粘弾性 」応答(G21)が発現します。粘性流体は回復しないので、試料の流速や粘性の程度によって、回復不可能な領域が生じます。